狭山事件は、1963 年5 月に埼玉県狭山市で起きた女子高校生誘拐殺人事件です。警察は当初から被差別部落を 中心に捜査し、当時24 歳だった被差別部落に住む石川一雄さんを逮捕しました。石川さんは当初、自分の兄が真 犯人であると思い込まされ、兄をかばうために犯行を認めました。しかし話が違うと知り控訴審で一転して無罪を 主張し、55 年に渡る闘いを続けておられます。石川さんは 1994 年に仮出獄されていますが、いまなお殺人犯と して、市民としての当然の権利が剥奪されたままです。2006 年5 月23 日、石川さんと弁護団は、第3 次再審請 求(裁判のやりなおし)を東京高等裁判所に申し立て、裁判所、検察庁、弁護団の三者協議はこれまでに48 回に わたり開催されています。
狭山事件では、脅迫状が犯人の残した唯一の物的証拠です。狭山再審請求弁護団は多くの新証拠を提出していま すが、それはどれもが脅迫状やそれに付随する多くの証拠について合理的な疑いをいだかせるものです。また、部 落差別の貧しさの中で学校に十分に通うことが出来ず、事件当時、字を書く習慣のなかった石川さんが証拠の脅迫 状を書いたとは考えられません。石川さんを有罪とした裁判の結果には問題があることは明らかです。
現地調査学習会では石川さんが有罪とされた裁判の疑問点などを確認し、現在の再審請求の状況を学びます。石 川一雄さんが被差別部落に生まれ育ったというだけで、殺人犯の汚名を着せられていったことを、ぜひこの学習会 を通して知っていただきたいと思います。また二日目には東京高裁で再審開始の訴えを、東京高検では検察の持っ ている証拠の全面開示を求めて、要請行動をおこないます。感染対策のための人数制限はありますが、公正、公平 な裁判が行われるように、わたしたちが声を上げることの大切さを共に学びましょう。そして何より石川さんの無 罪判決を勝ち取るために、どうぞ共に行動をしてください。
また、この学習会は「部キ連行政責任者部落差別問題研修会」を兼ねております。部キ連加盟の教団・教派の行 政責任者の方々、及び人権問題にたずさわっている方々はぜひご参加ください。
詳しい内容は添付ファイルをご参照ください。